北のクラフトフェア2024 & 2024年まとめ
北のクラフトフェアには昨年も参加しましたが、前回よりもさらに賑わって楽しい2日間でした。嬉しい忙しさの反面、ゆっくり時間を取って多くのブースを見て回ることが難しかったことが一つ心残りです。
北のクラフトフェア(以下、北クラ)では新しいことをやってみようというテーマで様々なことに取り組みました。
まず作品について、今まで出したことのなかったアートを出してみました。ずっとチャレンジしたくて、何人かの方にも勧められていたのを、やっと実現しました。
今までアクセサリーなど小さな面に刺繍をしてきたので、限られた時間の中でどれだけの広さに刺繍できるか不安だったため、まずは小さな刺繍枠から始めました。やってみると、これまで長い間使ってこなかった脳の部分が動き始めるような感覚でした。「小さく細かく丁寧に」という体に染みついたクセを「素早くリズムよく直感で」に変換していく。細胞を入れ替えるようで爽快でした。何を表現して何を表現しないのか、思考と感覚のバランスを取って、どんなふうに表れてくるのかを頭と手で考えながら刺すのは難しくも面白い。テーマについて頭を悩ませ続けてやらなかった時間がもったいなかったほど。
私は大学までずっと絵を描いてきました。やはり平面の表現は面白いです。これからもアート作品の制作は続けていきたいと思います。
次に、作品をどう見せるかを考えました。
今まで見てきたこと、やってきたことに囚われすぎずに、作品の世界観を伝える色彩設計、見やすい動線と空間を・・・など考えすぎて什器の設計がギリギリになり、材料の買い出しから組み立てまで手伝ってくれたパートナーには負担をかけてしまいました。いつも申し訳ない・・・
当日を迎え、展示が良くなったとのポジティブな評価をいただき、たくさんの方に足を止めていただけました。取り組んだことは間違いではなかったと胸を撫で下ろしました。
さらに、ロゴも手描きのパイプのロゴから現在のロゴに変えました。これから作っていきたいものの世界観や雰囲気に近いものになったと思います。それに伴ってパッケージからショップカードから新たにデザイン、発注…
バタバタの中で制作していました。いくつか出したかった作品が間に合わず…
今回で色々と整えてきたので、来年はもう少し落ち着いて制作中心に取り組めそう(と言ってまた展示を変えたくなってくると思います、もうやるしかないです)
北クラでは嬉しい出来事がたくさんありました。
初めて出品したアート作品をお迎えいただいたこと。
北クラ初開催の2022年から3回目の来場にして初めて購入するのが青色の研究の作品だ、とお客様に仰っていただけたこと。
地元の知り合いの方が何人もブースに来てくれたこと。
審査員の方とお話しできたこと。
今は九州に引っ越してしまった、何度かリピートしてくださっているお客様がたまたま岩手への帰省中に北クラがあると知って、貴重な時間の中わざわざいらしてくださったこと。
北クラ閉幕の翌日、たまたま行ったお店で青色の研究の作品を身につけてくださっている方にお会いできたこと。嬉しくて思わず声をかけてしまいました。自分の作品が実際にお客様の日常の中で使っていただけている光景を見る奇跡。あまりに尊くて、少し涙が出てしまいました。こんな偶然は滅多にないと思います。
こんなふうに誰かの日常に寄り添い、よろこびを添えるものを作っていけたらと、気持ちを新たにした瞬間の数々。
奇跡のような3日間でした。
3日目のトークセッションもとても勉強になりました。初めて作家の方々が登壇され、普段は聞けない他ジャンルの方の実際の声を聞くことができて貴重な時間でした。どの方も一人ひとり違う心構えやものづくりへの向き合い方があり、作家としての素敵な人間性が見えて、これはぜひもっと色々な作家さんとお話ししてみたいと思うようになりました。
トークセッションの中では、大分県で竹カゴを制作されている後藤洋司さんの「ジャンルは違えど、皆ものを作る仲間だ」というような一言が心に残りました。そう、この一言に象徴されるように作家はもちろん、北クラのスタッフの皆さまやお客様も含めて「みんなでこの空間を作り上げよう」という思いが皆さんから感じられる、温かいイベントだなと思うのです。
ご来場くださったお客様、スタッフの皆さま、審査員の皆さま、手伝ってくれたパートナー、今回もありがとうございました。
2024年を振り返ると、本当にたくさんの人の顔が浮かびます。
今までの自分では挑戦できなかったことができたのは、関わってくださった皆さまのおかげです。いつも本当にありがとうございます。至らない部分でご迷惑をおかけしてしまうことがあっても、変わらず温かく見守ってくださり、心から感謝いたします。
個人的なところで言うと、2024年3月から新しい職場で働き始めました。とある書店で働いています。書店は私の生活に無くてはならない存在です。本自体も好きですが、書店という空間が大好きすぎて、長い時で3〜4時間大型書店に滞在していたことがあります。
これまで環境が変わることが怖かったのですが、いざ働き始めてみると驚くほど自分の心が安定していることに気づきました。大好きな本のために、そして本を愛するお客様や雑貨が好きなお客様の楽しいお買い物のお手伝いができると思うと、やることがたくさんあって動き続けるということが苦ではありません。以前は「あれもこれも全てできなくてはいけない」という強迫観念から常に自分で自分にダメ出しをし続けているような状態だったので、次第に物事が手につかなくなっていきました。新しい職場で、働く人の個性も様々で、たくさんのお客様を見ていく中で、「あ、私もここにいていいんだ。安心していいんだ」と自然と思えるようになりました。
改めて、人との関わりの大切さ、人の存在のありがたさを感じる一年でした。
今は会えない、これまでお世話になってきた方々も、皆さんがいてくれたおかげで今の私がいます。私の中のどこかに、皆さんがいつも存在しています。ありがとうございます。
こんなに感謝の気持ちで満たされながら新年を迎えられたのは本当に幸せなことです。
今年もより一層、刺繍の世界を楽しんでもらえるように頑張ってまいります。
今後とも青色の研究をよろしくお願いいたします。
青色の研究
0コメント