盛岡で考えたこと

突然ですが、先日、弾丸で盛岡に行ってきました。


まず見たのは「北のクラフトフェア 2022」という、盛岡城跡公園で行われたイベント。


岩手県を初め、東北を中心として

他の地方からも含めて

100人の作家さんが集められました。


実は私も応募したのですが、

審査を通過することはできませんでした…


それでも審査後に審査員の方々お一人ずつから

応募者全体の総評をいただき、

とても勉強になりました。


私自身これは良くないなと思っていたところをはっきりと見抜かれていて、

本当の意味で作品や自分と向き合わなければと

決意を新たにした瞬間でもありました。


今回は勉強のために会場へ。


今までクラフトフェアのようなイベントは

何も考えず純粋に楽しんでいましたが、

不思議なもので「吸収するぞ!」と思いながら参加すると

色々なことが新しく見えました。


例えば、来場者の皆さん。

どんな人、誰と、どんな服が好きで、

何を買いに、または何を見に、ここに来たのか。


出店されている作家の皆さん。

どんなことを考えて素材を選び、形を選び、どんな雰囲気を纏って立つのか。


スタッフの皆さんの笑顔、会場の成り立ち、音楽に食べ物。

全てはこの日を精一杯楽しみ、

暮らしの中で心を豊かにしていくために。

少し話は逸れますが、

他に「GAGDA岩手 ポスター展 2022」も見てきました。


デザインのテーマは盛岡の魅力を再発見すること。


その中で特に気になったのは

方眼のグリッドの真ん中に盛岡の地図が配置されていて

ところどころに水彩のような水色が滲んでいるポスター。


盛岡の人々の気質や文化的な土壌、

そして水の豊かさが表現されているのではないかと私は感じました。


そして作者の一言(記憶が正確ではないですが)にも

「盛岡のことを思うと、いつもそばに水の気配があった」

というようなことが書かれていて。


盛岡の市街を歩いていると、

車も人もよく通るのに

どことなく静かで冷たいような空気を感じました。


移動すればすぐに川に行き当たります。

川の先を見ると山が見え、空が広がっている。

立ち止まって風景を眺めながらふと

この環境の中で生きる人たちが

日々それぞれ心に感じていることが

作るものに自然と表れているのだなと思いました。


このところ、独創的なものを生み出さなくてはと悩み続けてきたのですが

「見てきたものがつくるものに出てくる。それがその人のもの」

といういたってシンプルなことにようやく合点がいき…


こうして机から離れて

旅に出たり街を歩いたりして

心を豊かにすることこそが大切ですね。

青色の研究

物語る、刺繍。 Embroidery telling a story.